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2023/10/21 21:41
じゅんかん農法における有用微生物群の相互のはたらきは、以下のようになります。特に、乳酸菌は、有用微生物群の活動を促進する中心的な役割を担っています。
・乳酸菌が作る乳酸が、光合成細菌や放線菌の活動を促進する
乳酸菌は、有機物を乳酸に分解します。乳酸は、酸性物質であるため、pHを下げる効果があり酸性状態を作り出すため、光合成細菌や放線菌の活動が促進されます。
光合成細菌や放線菌は、酸性の環境を好む微生物です。そのため、乳酸菌によってpHが下がることで、これらの微生物の活動が促進されるのです。
・光合成細菌が作る酸素が、乳酸菌や酵母の活動を促進する
光合成細菌は、光合成によって酸素を生成します。酸素は、乳酸菌や酵母の活動に必要な物質です。光合成細菌が作る酸素が、乳酸菌や酵母の活動を促進するのは、以下の2つの理由が挙げられます。
1 乳酸菌や酵母は、酸素を呼吸してエネルギーを生成します。
乳酸菌や酵母は、酸素を呼吸して、グルコースなどの糖類を分解してエネルギーを生成します。酸素がなければ、これらの微生物はエネルギーを生成することができず、活動が制限されます。
2 酸素は、乳酸菌や酵母の産生する物質の分解を促進します。
乳酸菌や酵母は、発酵の過程で、乳酸やアルコールなどの物質を生成します。これらの物質は、酸素があると分解されて、エネルギーや栄養素として利用されます。そのため、酸素がなければ、乳酸菌や酵母が生成した物質が分解されず、蓄積されてしまいます。
このように、光合成細菌が作る酸素は、乳酸菌や酵母の活動を促進することで、作物の生育を促進する効果があります。
・酵母が作るアルコールが、乳酸菌や放線菌の活動を促進する
酵母は、有機物をアルコールに分解します。アルコールは、乳酸菌や放線菌の活動に必要な物質です。酵母が作るアルコールは、乳酸菌や放線菌の活動を促進する理由は、以下の2つが挙げられます。
1 アルコールは、乳酸菌や放線菌の栄養源となる。
乳酸菌や放線菌は、アルコールをエネルギー源として利用することができます。そのため、アルコールが存在することで、乳酸菌や放線菌の活動が活発になります。
2 アルコールは、乳酸菌や放線菌の競合微生物の活動を抑制する。
乳酸菌や放線菌の活動を抑制する微生物の中には、アルコールを嫌う微生物も存在します。そのため、アルコールが存在することで、これらの微生物の活動が抑制され、乳酸菌や放線菌の活動が促進されます。
このように、酵母が作るアルコールは、乳酸菌や放線菌の活動を促進することで、作物の生育を促進する効果があります。
・乳酸菌が作る乳酸が、枯草菌の活動を促進する
乳酸菌は、有機物を乳酸に分解します。乳酸は、枯草菌の活動に必要な物質です。乳酸菌が作る乳酸が、枯草菌の活動を促進する理由は、以下の2つが挙げられます。
1 乳酸は、枯草菌の栄養源となる。
枯草菌は、乳酸をエネルギー源として利用することができます。そのため、乳酸が存在することで、枯草菌の活動が活発になります。
2 乳酸は、枯草菌の競合微生物の活動を抑制する。
枯草菌の活動を抑制する微生物の中には、乳酸を嫌う微生物も存在します。そのため、乳酸が存在することで、これらの微生物の活動が抑制され、枯草菌の活動が促進されます。
このように、乳酸菌が作る乳酸は、枯草菌の活動を促進することで、作物の生育を促進する効果があります。
乳酸菌は、これらの有用微生物群の活動を促進する中心的な役割を担っています。乳酸菌が作った乳酸が、他の有用微生物群の活動に必要な物質となるため、乳酸菌がなければ、他の有用微生物群の活動は十分に行われません。
そのため、じゅんかん農法においては、乳酸菌を増やすことが極めて重要です。乳酸菌を増やすためには、有機物と炭素源を適切な比率で混合し、適切な温度と湿度で発酵させることが重要となります。
そして、じゅんかん農法における有用微生物群は、相互に関連し合って、作物の品質や生産性を向上させる効果をもたらしています。
具体的には、以下の効果が期待できます。
・作物の甘味やうま味の向上
・作物の病害虫に対する抵抗力の向上
・作物の栄養価の向上
・作物の生育促進
これらの効果により、じゅんかん農法で作られた作物は、よりおいしく、健康に良いものになります。
最後までお読みいただきありがとうございます。