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2018/07/10 17:14

     うまみ成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸、甘み成分である糖分(炭水化物)が沢山含まれているので、うまい!美味しい!そして栄養価の高い野菜と相成るんですね。


 最初の図「植物の窒素同化・有機合成」で示すように、根から吸収された硝酸はアンモニアに還元され、アンモニアからグルタミン酸が作られます。

 次にグルタミン酸からアスパラギン酸とアラニンが作られます。これらの3種類のアミノ酸から種々のアミノ酸が合成されます。

 グルタミン酸とアスパラギン酸は野菜のうまみ成分ですね。


   2番目の図「生育・肥大」の図で示すように、アミノ酸は、普通肥料からアミノ酸が生成される窒素同化経路を省略して、そのまま直ちに植物体内の有機合成に活用されます。

    このため、植物に光合成で生産された炭水化物(エネルギー)を消耗させないので、雨天や曇天が続く日照不足の際にも、作物を健康で旺盛に成長させることにより品質が向上します。つまり、

  ✓根の生長点で細胞づくりにアミノ酸が使われるので根がよく伸び、炭水化物の節約になります。そのためおいしい野菜ができます。

✓余った炭水化物によって、根酸、ミネラル吸収量、貯蔵澱粉重量が増加し、糖度や栄養価も向上します。

✓植物繊維の外壁が厚くなり病害虫に対しても強くなります。


このように作物を健全かつ旺盛に成長させるのに重要な、アミノ酸の直接的な栄養作用効果を充分に発揮させるには、有用微生物を利用した土づくりをし、かつ、液肥は無機態窒素ではなくアミノ酸を与えることが最も重要だと言えます。



うまみ成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸、甘み成分である糖分(炭水化物)が沢山含まれているので

うまい!美味しい!そして栄養価の高い野菜と相成るんですね。



このようなアミノ酸肥料の植物生理効果を整理した図です。

さて、土壌中では炭素や窒素で構成されるペプチド、タンパク質をはじめとする有機態窒素は無数の微生物の活動により循環しています。アミノ酸はこれらの窒素有機物を構成する基本物質で、土壌の中の微生物にも、植物の根にも、最も速効的でかつ強力な低分子の有機栄養となります。


窒素循環図(ウィキペディアより)

 土壌中で高分子の窒素有機物は分解・無機化されるとアンモニア、更には、亜硝酸を経て硝酸になります。これらは根から吸収されると、植物体内で無機窒素の同化、有機物の合成反応といった数段階の反応経路を経てアミノ酸を生成します。その過程で光合成により生成された炭水化物を消費し、多くのエネルギーを費やします。

 この過程では、無機窒素、特に硝酸態窒素が過剰に吸収されることにより、生育が悪く、病害を増やし、花や果実の成熟を妨げ、引いては、品質が劣化するなどの原因となるため、無機窒素をなるべく少なく吸収させることが健全な栽培の鉄則となっています。

 植物は高分子の有機物はそのまま吸収できませんが、低分子のアミノ酸は、直接吸収し活用できます。植物に「窒素が必要」というのは「アミノ酸が必要」という意味であると理解できます。

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じゅんかん農法で生姜を作っています。 九州大学農学部農芸化学科を卒業し、佐賀県庁に35年間勤務したのち、2020年に就農した67歳の佐賀県が認定するエコファーマー。じゅんかん農法により、下水道資源や微生物、もみ殻などを使って堆肥を作り、栽培期間中無農薬・無化学肥料・無除草剤で生姜を栽培しています。 規格外や種生姜などの訳あり生姜も原料にして、シロップやソース、パウダー、プリン等スィーツなどの加工品も開発しております。